評価と目標設定
この部の 2 / 4 章 ・ 全体で 20 / 22 章 ・ 読了目安 25 分
- 成果だけでなく成長を評価に含められる
- 評価の基準を本人に事前に共有できる
- 評価面談で初めて伝える、をなくせる
評価は、期末に点をつける作業ではありません。 期初に基準を渡し、日々それを本人と確認し、最後に確認済みのことを言葉にする——この一連が評価です。
この章では、経験の浅い人を正しく評価するための物差しの作り方と、 評価面談で「初めて聞きました」を起こさない運びを扱います。
経験の浅い人を成果だけで測ると、必ず低く出る
まず前提を1つ置きます。成果だけを見る評価は、経験の浅い人に対して構造的に不利です。 本人の能力とは関係なく、必ず低く出ます。理由は単純です。
- 渡されるタスクの規模が小さい。渡しているのは受け入れ側です
- 前提知識を獲得する時間が、成果物には現れません
- レビューや相談で他人の時間を使う分、チーム全体の生産量としては一時的にマイナスに見えます
ここでベテランと同じ物差しを当てると、こうなります。
「今期の成果は、小さめの改修が4件。正直、物足りないですね」
この評価は事実として正しくても、測っているものが間違っています。 入社3ヶ月の人に対して見るべきなのは、出力の絶対量ではありません。
見るべきものは3つあります。
| 見るもの | 何を意味するか | 具体例 |
|---|---|---|
| 伸び幅 | 期初と期末で、できることがどれだけ増えたか | 1ヶ月目は仕様確認に半日かかっていたのが、3ヶ月目は着手前に質問1往復で済むようになった |
| 再現性 | 一度できたことを、次も同じ品質でできるか | 最初の PR で受けた指摘の種類が、以降の PR で再発していない |
| チームへの影響 | 本人の存在がチームに何をもたらしたか | 手順書の詰まった箇所を3つ直し、後から入った人が半日短縮できた |
3つとも、絶対量ではなく差分と広がりを見ています。 成果を見ないという意味ではありません。成果に、この3つを足すという意味です。
なります。そして、それで構いません。
評価の目的は、順位をつけることではなく、次の期に何をしてもらうかを決めることです。 伸び幅が大きい人には次の階段を渡し、伸びが止まっている人には原因を一緒に探す。 どちらの判断も、成果の絶対量からは出てきません。
なお伸び幅だけで見ると、すでに高い水準にいる人が不利になります。 だから3つを併用します。1つの軸で全員を並べようとした時点で、たいてい失敗しています。
評価軸と、それをどこで見るか
「成長を評価する」と言っただけでは運用できません。何を見れば分かるのかまで決めます。
| 評価軸 | 見るもの | 何を見れば分かるか |
|---|---|---|
| 技術的なアウトプット | 出したものの質と量 | マージされた PR、レビュー指摘の数と種類の推移、障害の有無 |
| 学習の速さ | 教えたことが定着する速度 | 同じ指摘の再発率、1度説明した概念を次に自分の言葉で使えているか |
| 相談と報告 | 詰まりを外に出せているか | 30分ルールが守られているか、デイリーで「調査中」が何日続いたか |
| チームへの貢献 | 自分のタスク以外への働きかけ | 手順書の修正、他人の PR へのコメント、詰まりの共有 |
| 自走度 | どこまで一人で回せるか | 仕様確認 → 実装 → PR → 対応、のどこに介入が必要だったか |
右列が重要です。ここが空欄の評価軸は、評価軸ではなく願望です。 「主体性」「積極性」「当事者意識」がよく空欄になります。観測できないからです。
観測できる形に言い換えると、こうなります。
| 願望のままの表現 | 観測できる表現 |
|---|---|
| 主体性がある | 担当が決まっていないチケットに、今期3回手を挙げた |
| 積極的に学んでいる | 週次の勉強会で2回発表した。読んだ資料の要点をチャンネルに残している |
| コミュニケーションが良い | 詰まりを平均30分以内に共有している。認識のズレを着手前に潰している |
| 品質意識が高い | 直近10本の PR で、エラーハンドリング漏れの指摘が0件 |
軸の重みは時期で変える
同じ5軸でも、入社1ヶ月と1年では重みが違います。
| 時期 | 重い軸 | 軽くていい軸 |
|---|---|---|
| 〜3ヶ月 | 相談と報告、学習の速さ | 自走度、技術的なアウトプットの量 |
| 3〜6ヶ月 | 学習の速さ、技術的なアウトプット | 自走度(まだ途中でよい) |
| 6ヶ月〜 | 自走度、チームへの貢献 | — |
最初の3ヶ月で自走度を重く見るのは、まだ持っていないものを評価しているのと同じです。 この時期に「まだ一人でできませんね」と言うのは、評価ではなく単なる観察の報告です。
なお、軸は5つ前後が限界です。10個並べると、評価者は全部を思い出せず、 結局は印象に残った1〜2軸で全体を決めます。表向きは10軸、実態は2軸という状態になります。 軸を増やしたくなったら、それは「見たいものが決まっていない」サインです。 今期この人に何を伸ばしてほしいのかを3つに絞ってから、軸を選び直してください。
目標の立て方
目標が「頑張る」で終わる原因は、本人のやる気ではありません。 観測可能な形に落とす作業を、誰もやっていないからです。これは受け入れ側の仕事です。
| そのままでは使えない目標 | 観測可能に直した目標 |
|---|---|
| 技術力を上げる | 認証まわりのコードを一人で読めるようになる。読めた証拠として、担当外の PR に1本コメントする |
| もっと自走する | 仕様が曖昧なタスクで、着手前に質問を出せるようになる(今期中に3回) |
| チームに貢献する | 自分が詰まった箇所の手順書を、詰まるたびに直す |
| レビューを早く通す | 指摘の種類を記録し、同じ種類の再発を月内で0にする |
コツは、達成したかどうかを本人が自分で判定できる形にすることです。 本人が判定できない目標は、期末に評価者が「まあ、まだかな」と決めることになります。 その瞬間、目標は評価の道具ではなく、後付けの理由になります。
測れる目標だけを置くと、測れるものだけをやる
ただし、ここには強い副作用があります。数値目標を厳密に置くと、 人は測られる行動に最適化します。悪意ではなく、合理的な反応です。
| 置いた目標 | 起きること |
|---|---|
| 月に PR を8本 | PR を細かく分割する。レビューコストは増え、1本あたりの中身は薄くなる |
| レビュー指摘を月10件以下に | 挑戦的な実装を避ける。安全な小さい変更ばかり選ぶ |
| 勉強会での発表を月2回 | 発表しやすい浅いテーマを選ぶ。今の業務に効かない |
| 質問を減らす | 詰まっても聞かなくなる。最も避けたい行動が強化される |
とくに新人は、目標の言葉を字義どおりに受け取ります。 「数値はあくまで目安で」という前置きは、まず届きません。評価される側にとって、 書かれた数字は書かれたとおりの意味を持ちます。
バランスの取り方は3つです。
- 数値は「行動の目標」に置き、「成果の目標」には置かない。 「PR 8本」ではなく「30分詰まったら共有する」。行動は本人が完全に制御できます
- 数値目標は多くて2つまで。 残りは定性で書き、期中の 1on1 で具体例を足していく
- 数値を割ったこと自体を減点にしない。 見るのは「なぜ届かなかったか」であって、差分そのものではありません
自走度を上げたい時に置かれがちですが、これは最悪の目標です。
新人が質問を減らす一番簡単な方法は、分からないまま進めることです。 そして詰まりは見えなくなり、発覚は数週間後の手戻りとして現れます。
自走度を上げたいなら、「質問の数」ではなく「質問の質」を目標にしてください。 「試したこと・仮説・詰まった箇所をセットで書いてから聞く」は観測でき、 かつ達成しても質問しにくくなりません。
評価基準を先に渡す
ここがこの章で最も重要です。何ができていれば良い評価なのかを、期初に本人へ渡してください。
渡していない状態は、こう見えています。
- 受け入れ側: 期待は自分の中にある。伝えたつもりでいる
- 本人: 何を目指せばいいか分からない。とりあえず目の前のタスクを頑張る
- 期末: 「ここが足りなかった」と言われる。足りないと知る機会が一度もなかった
これは評価ではなく、抜き打ちテストです。しかも出題範囲が公開されていません。
渡すものは大げさなものでなくて構いません。期初の 1on1 で、この形式で十分です。
「今期、私が見るのはこの3つです。 ①仕様が曖昧なタスクで、着手前に質問が出ていること。 ②同じ種類のレビュー指摘が再発していないこと。 ③自分が詰まった箇所の手順書を直していること。 この3つが安定してできていれば、期待どおりだと私は判断します。 逆に、PR の本数は今期は見ません。理由は、渡しているタスクの粒度をこちらが決めているからです」
最後の1文が効きます。何を見ないかまで言うと、本人は数字合わせから解放されます。
「期待どおり」の中身を言葉にする
多くの評価制度には「期待を上回る/期待どおり/期待を下回る」のような段階があります。 問題は、期待の中身が誰も言語化していないことです。
| 段階 | 中身を言葉にすると |
|---|---|
| 期待を下回る | 詰まりが数日単位で共有されない。同じ指摘が繰り返し出る |
| 期待どおり | 小さいタスクを仕様確認から完了まで一人で回せる。詰まりは当日中に出る |
| 期待を上回る | 上に加えて、他人の詰まりを減らす行動が出ている(手順書の修正、他人の PR へのコメント) |
これを期初に見せてください。本人が「今の自分は真ん中の行だな」と自己判定できるなら、 その基準は運用できます。判定できないなら、まだ言葉が足りていません。
一方的に渡した基準は、翌週にはまず忘れられています。入社直後は情報量が多すぎるからです。
期初の 1on1 で、こちらが叩き台を出し、その場で本人に書き直してもらってください。 「②は具体的にどうなっていれば達成ですか」と聞かれた時点で成功です。 その質問が出るまで、基準は共有されていません。
サプライズをなくす
評価面談で伝える内容は、すべて事前の 1on1 で一度は言ってあるべきです。 例外はありません。面談で初めて出る指摘は、それ自体が受け入れ側の失敗です。
第5部で扱ったとおり、言いにくいことを溜めるコストは時間とともに増えます。 評価の場では、それが最大化します。
| いつ伝えたか | 本人にとって何になるか |
|---|---|
| 気づいた翌日 | 1回の出来事。すぐ直せる |
| 1ヶ月後 | すでに癖。直すのに時間がかかる |
| 評価面談 | 確定した評価の通告。 修正の機会が無かったことになる |
3行目で失われるのは、その指摘への納得だけではありません。 「この人は、思っていることを言わずに溜める人だ」という学習が起きます。 以降、本人はあなたの「大丈夫だよ」を信じなくなります。
サプライズを防ぐ運用は単純です。
- 期初に基準を渡す
- 隔週〜毎週の 1on1 で、基準に対する現在地を1つだけ触れる
- 気になったことは、その週のうちに小さく伝える
- 評価面談では、すでに話したことを整理して伝えるだけにする
面談の準備をしていて「これ、まだ言っていないな」という項目が出てきたら、 それは面談を待たずに今週伝えてください。そして、今期の評価には重く反映させない。 伝えていなかったのはこちらの責任です。
サプライズを避ける話は、悪い評価だけの話ではありません。
期中に何も言わず、期末に「実はすごく良かったと思っている」と伝えると、 本人はその3ヶ月を不安なまま過ごしたことになります。 良かった行動は、その場で言った方が再現される確率が上がります。
評価面談で初めて褒めるのは、褒めるタイミングを3ヶ月逃したということです。
評価を伝える場での話し方
順番を固定します。事実 → 評価 → 次に期待することです。
逆順にすると失敗します。「もう少し自走してほしい(評価)」から入ると、 本人は身構えたまま事実を聞くことになり、内容が入りません。
良い例
「まず良かった点から。認証まわりの改修(事実)、仕様が曖昧なところを着手前に3回確認してくれましたね。 おかげで手戻りがゼロで、リリースが予定どおりに出ました(影響)。 期初に置いた①は、期待を上回る達成だと判断しています(評価)。
次に、伸ばしたい点です。レビュー指摘のうち、エラーハンドリング漏れが今期6件ありました(事実)。 種類としては同じもので、9月と11月で再発しています(事実)。 期初に置いた②は、期待どおりには届いていないと見ています(評価)。
来期は、PR を出す前に『エラーが起きたら何がログに残るか』を自分でチェックしてから出してほしいです(期待)。 チェックリストは私が作るので、来週の 1on1 で一緒に見ましょう」
型の要点
| 要素 | 守ること |
|---|---|
| 良い点から入る | 最初の1つは必ず具体的な良かった行動。「特にないですが」で始めない |
| 事実を先に置く | 日付・件数・場面が特定できる形。印象は事実ではない |
| 評価はこちらの判断として言う | 「〜と私は判断しています」。客観的な真実のように言わない |
| 課題は行動で伝える | 「意識してほしい」ではなく、明日から取れる動作で言う |
| 支援を添える | チェックリストを作る、ペアで1回やる、など。要求だけで終わらせない |
やってはいけない伝え方
- 他人と比較する。 「同期の◯◯さんはもう一人でやれている」。改善行動が1つも含まれていません
- 人格で言う。 「慎重すぎる性格が出ている」。行動なら直せますが、性格は直せません
- 総合点だけ伝える。 「今期はBです」。何を伸ばせばいいかがゼロ情報です
- 課題を3つ以上並べる。 内容にかかわらず、全否定として受け取られます。今期直してほしいものを1つに絞ります
評価者が陥る罠
評価がぶれる原因の大半は、評価者側の認知の癖です。知っておくだけで半分は防げます。
| 罠 | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 近接効果 | 直近1ヶ月の出来事に引きずられる。期初の good work が消える | 月ごとの記録を並べてから書く。記憶から書かない |
| ハロー効果 | 目立つ1点(プレゼンが上手い/1度の障害)で全軸を判断する | 軸ごとに独立して根拠を書く。1軸ずつ埋めてから全体を見る |
| 中心化傾向 | 判断に自信がなく、全員を真ん中に寄せる | 各軸で「なぜ真ん中なのか」の事実を書く。書けないなら見ていない |
| 類似性バイアス | 自分と似たタイプ(進め方・出身・話し方)を高く評価する | 自分と進め方が違う人の評価を、別の人にレビューしてもらう |
| 寛大化傾向 | 関係を壊したくなくて全員を高くつける | 高くつけた根拠を事実で書く。書けないなら関係を守っているだけ |
もう1つ、経験の浅い人の評価で特有の罠があります。 手のかかった人ほど低く評価してしまうというものです。
質問が多く、レビュー往復が多い人は、評価者の記憶に「大変だった」という感触を残します。 しかし質問の多さは、多くの場合むしろ良い兆候です。 詰まりを外に出せている人と、詰まったまま黙っている人では、後者の方が手はかかりません。
評価シートを書く時、無意識に「こちらが楽だったか」を混ぜてしまうことがあります。
しかし手がかからなかった理由は、たいてい次のどちらかです。 本当に自走していたか、詰まりを外に出していなかったか。 この2つは、評価者の体感では区別がつきません。
区別するには、成果物を見ます。手戻りの量、レビュー指摘の種類、 仕様の取り違えが起きた回数。ここに何も出ていなければ本物の自走です。
記録がないと、評価はできない
3ヶ月分を期末に思い出して書こうとすると、必ずこうなります。
- 直近3週間の出来事しか出てこない(近接効果)
- 良かったことより、印象に残った失敗が先に出てくる
- 事実が思い出せないので、印象で書く。「全体的に真面目に取り組んでいた」
材料が無いのに評価しようとすると、人は必ず印象で埋めます。 これは意志の問題ではなく、記憶の仕組みの問題です。だから記録で解決します。
第5部で扱った 1on1 の記録が、そのまま評価の材料になります。追加の作業は要りません。
| 記録するもの | 評価のどこで使うか |
|---|---|
| 話した内容と、本人が困っていたこと | 伸び幅の説明(期初は何に困っていて、今は何に困っているか) |
| 伝えたフィードバック | サプライズの防止(言ったことの一覧がそのまま面談の材料になる) |
| 次回までのアクションと、その結果 | 再現性の説明(同じ指摘が再発していないかが追える) |
| 良かった行動のメモ | 良い点から入るための材料。1行で十分 |
4つ目を意識して残してください。良かった行動は、記録しないと消えます。 失敗は勝手に記憶に残りますが、うまくいったことは残りません。 その場で1行、チャンネルか自分のメモに書くだけで、期末の評価が変わります。
記録の書き方は、第5部で扱ったとおり本人に見せられる形にしてください。 評価のために別途こっそりメモを取り始めると、それはいつか漏れます。 そして漏れた瞬間、それまでの信頼はゼロになります。
そしてもう1つ。評価シートは期末に書かないでください。 月末に15分だけ確保して、その月の分を書き足していく形にします。 期末にまとめて書くと、材料集めと文章化を同時にやることになり、結果として印象で埋める方に流れます。 月次で書いておけば、期末にやるのは並べ替えだけです。
月次で書いていると、もう1つ利点があります。期の途中で「①の根拠が何も書けていない」ことに気づけます。 それは評価を書けないという問題ではなく、その軸について何も伝えていないという問題です。 期中に気づけば、まだ間に合います。
インターンの評価は、通常の評価とは別物
インターンの評価には、正社員の評価をそのまま持ち込めません。期間が違うからです。
| 前提の違い | 評価への影響 |
|---|---|
| 期間が数週間〜数ヶ月 | 成果が積み上がる前に終わる。成果量で見ると全員低く出る |
| 前提知識がほぼゼロから始まる | 立ち上がり期間が、そのまま期間の大半を占める |
| 期末に「来期」が無い | 「来期はこうしてほしい」が本人の役に立たない形になりやすい |
| 業務経験そのものが浅い | 報連相や見積もりが「まだ知らない」段階。できないのが標準 |
そのため、見るものは自然と姿勢と伸びに寄ります。
- 詰まった時に、どれくらいで外に出せたか(初週と最終週で比べる)
- 一度説明したことを、次に自分の言葉で使えたか
- 分からないことを分からないと言えたか
- 最終週の本人が、初週の本人に何を教えられるか
最後の観点が扱いやすいです。「初日の自分に何を教えますか」と本人に聞くと、 伸びた部分が本人の言葉で出てきます。それがそのまま評価の材料になります。
伝え方も変わります。来期が無いぶん、次に行く場所で使える形にしてください。
「今回できるようになったことを3つ挙げます。①仕様が曖昧な時に、着手前に確認できるようになった。 ②詰まりを30分で共有できるようになった。③PR の説明を、レビューする人が読む前提で書けるようになった。 この3つは、次にどこで働いても最初から効きます」
期間の設計や終わり方そのものは、次の章で扱います。
入社3ヶ月の新人の評価を書いています。マージされた PR は8本と少なめですが、質問が多く、レビューの往復も平均より多い状態です。評価としてどう扱うのが最も適切ですか?
この章のまとめ
- 経験の浅い人を成果量だけで測ると、能力と関係なく必ず低く出る。成果に伸び幅・再現性・チームへの影響を足す
- 評価軸には必ず「何を見れば分かるか」をセットで書く。右列が空欄の軸は、評価軸ではなく願望
- 軸の重みは時期で変える。最初の3ヶ月で自走度を重く見るのは、まだ持っていないものを評価しているのと同じ
- 目標は本人が自分で達成を判定できる形にする。ただし数値は成果ではなく行動に置く。測れるものだけをやるようになる副作用を織り込む
- 「質問の数を減らす」を目標に置かない。最も簡単な達成方法が、最も避けたい行動になる
- 評価基準は期初に渡す。 何を見ないかまで言う。本人が自己判定できないなら、まだ言葉が足りていない
- 評価面談で伝える内容は、すべて事前の 1on1 で一度は言ってある状態にする。良い評価もサプライズにしない
- 伝える順番は事実 → 評価 → 次に期待すること。良い点から入り、課題は明日から取れる動作で伝え、支援を添える
- 評価者の罠(近接効果・ハロー効果・中心化・類似性・寛大化)は、軸ごとに事実の根拠を書くことでほぼ防げる
- 手がかからなかったことを高く評価しない。自走していたのか、詰まりを外に出していなかったのかは体感では区別できない
- 記録が無ければ印象で埋まる。1on1 の記録がそのまま評価の材料になる。良かった行動はその場で1行残す
- インターンの評価は成果より姿勢と伸びを見る。伝え方も、次に行く場所で使える形にする