新人を受け入れる技術

そのまま使えるテンプレート集

この部の 4 / 4 章 ・ 全体で 7 / 22 章 ・ 読了目安 20 分

この章を読むとできるようになること
  • ゼロから作らずに受け入れを始められる
  • 自分のチームに合わせて削って使える

ここまでの章は「なぜそうするのか」を扱ってきました。この章は逆で、明日そのまま使える紙とテキストだけを並べます。 使い方は1つです。コピーして、自分のチームに要らない行を削る。足すのは後回しで構いません。

テンプレートは埋めるためのものではなく、抜けを検出するためのものです。 空欄が埋まらない項目が見つかったら、それが今のチームの準備不足です。

1. 受け入れ前チェックリスト

受け入れが決まった日にコピーして、そのままチケットにします。日数は自社の承認フローに合わせて前後させてください。 変えるところは「担当」の列(実在の役割名に置き換える)と、貸与物・入館まわりの行です。リモート中心なら物理の行を丸ごと削ります。

# 受け入れ前チェックリスト(受け入れ日: YYYY-MM-DD / 対象: ○○さん)
 
## 2週間前
- [ ] 貸与 PC を申請した(受け取り予定日: ____)
- [ ] 入館証・座席を申請した
- [ ] メインメンターを決めた(担当: ____)
- [ ] バックアップメンターを決めた(担当: ____)
- [ ] 1on1 担当を決めた(担当: ____)
- [ ] メンターの稼働を 2〜3 割空けることをチームに合意した
 
## 1週間前
- [ ] メール/チャット/カレンダーのアカウントを申請した
- [ ] ソースコード管理・チケット管理の招待を出した(承認者: ____ / 代理: ____)
- [ ] クラウド・ステージング環境の権限を申請した
- [ ] パスワード管理ツールに招待した
- [ ] 参加してもらう定例(朝会・スプリント関連)にカレンダー招待を出した
- [ ] 最初のタスクを起票し、受け入れ条件を書いた(チケット: ____)
- [ ] 予備のタスクを1つ用意した(チケット: ____)
- [ ] 初日〜1週目の到達目標を書いた
 
## 3日前
- [ ] まっさらな環境で環境構築手順を最後まで通した(所要時間: ___ 分)
- [ ] 詰まった箇所を手順書に反映した
- [ ] 初日のタイムテーブルを組み、関係者の予定を押さえた
- [ ] 昼食・歓迎の時間を誰かの予定に入れた
 
## 2日前
- [ ] 発行済みの権限を「実際に操作して」確認した
      - [ ] リポジトリを clone できる
      - [ ] ブランチを push できる
      - [ ] CI の実行結果が見える
      - [ ] 開発チャンネルに参加できている
      - [ ] ステージング環境にログインできる
- [ ] 初回ログイン案内が本人に届いているか確認した
 
## 前日
- [ ] 担当の地図(誰に何を聞くか)を1ページにまとめた
- [ ] 質問先のチャンネルを作った/既存チャンネルに招待した
- [ ] 初日の集合時間・場所(または会議 URL)を本人に連絡した
- [ ] 席/リモート環境を確認した
      - [ ] 席・モニタ・電源(出社の場合)
      - [ ] 会議ツールの権限、常時つなぐ用の部屋(リモートの場合)
- [ ] チームに「明日から来ます」を共有した
「申請した」と「使える」は別の行にする

このチェックリストで1行だけ削ってはいけないのが、2日前の「実際に操作して確認した」です。 申請の行だけを残すと、発行側の画面で完了に見えている不備がそのまま初日に持ち越されます。

確認は必ず、本人ではなく受け入れ側が、本人と同じ権限セットで操作してください。

2. 初日のタイムテーブル

前日までに埋めて、本人にも共有します。共有すること自体が「今日は何をする日か」の説明になります。 始業時刻と昼食の時間帯を自社に合わせ、リモートなら移動・案内の枠を通話の接続確認に置き換えてください。

初日タイムテーブル(YYYY-MM-DD / ○○さん)
 
10:00-10:20  挨拶と今日の流れの共有          メンター
             → 今日のゴール「コードを1行変えて動かす」を先に伝える
10:20-11:00  チーム紹介 / 担当の地図を渡す    メンター
11:00-12:00  アカウント・権限の疎通確認       本人
             → 使えないものが出たらこの時間に申請し直す
12:00-13:00  昼食(誰かと一緒に)             チーム
13:00-15:00  環境構築                         本人(30分詰まったら声かけ)
15:00-15:30  コードを1行変えて動かす          本人  ★今日のゴール
15:30-16:30  明日以降のタスクの説明           メンター
16:30-17:00  1日の振り返り(15分でよい)      2人
17:00        終了。残業させない
 
事前に押さえておく人の予定:
- 10:20 チーム紹介に出る人: ____
- 12:00 昼食に行く人: ____
- 16:30 振り返り: ____

3. Good First Issue のテンプレート

最初のタスクを起票するときに使います。書けない欄が出たら、そのタスクは最初の1本には向いていません。 「関連ファイル」と「参考になる既存実装」は必ず埋めてください。ここが空だと、本人はコードベースの探索から始めることになります。

## 背景
 
(なぜこれをやるのか。2〜3行。ドメインの前提知識が要る場合はここで説明を完結させる)
 
## やること
 
- [ ] (具体的な変更内容を、判定できる粒度で書く)
- [ ] (テストが必要ならここに書く)
 
## 関連ファイル
 
- `path/to/file.ts` — (このファイルの何を変えるか)
- `path/to/another.ts` — (読むだけでよいなら「参考」と書く)
 
## 参考になる既存実装
 
- `path/to/similar.ts` — 同じことを別の場所でやっている例。まずこれを読むとよい
- PR #___ — 似た変更の過去 PR
 
## 完了条件
 
- [ ] ローカルで ○○ が ○○ になることを目視で確認できる
- [ ] 既存のテストが通る
- [ ] PR がマージされている
 
## 詰まったら
 
- まず聞く人: ____(不在時: ____)
- 30分やって進まなかったら、整理できていなくても声をかけてください
- 想定時間: ___ 時間(これを大きく超えたら、タスクの設計ミスなのでこちらに教えてください)
「想定時間」は本人のためではなく、こちらのため

想定時間を書くと、新人が期限として受け取ることを心配しがちですが、実際の効果は別にあります。 超過が見えた時点で、こちらがタスクの設計を疑うきっかけになることです。

だから最後の1文をセットで書いてください。「超えたら本人の問題」ではなく 「超えたらこちらの見立てが外れた」と明記しておくと、本人も遠慮なく申告できます。

4. オンボーディング計画表

受け入れ前に1枚作り、1on1 のたびに現在地を確認します。 「到達目標」は態度ではなく事実で書いてください。確認方法の列が埋まらない目標は、書き直しのサインです。

# オンボーディング計画(○○さん / 開始: YYYY-MM-DD)
 
| 時期 | 到達目標 | 確認方法 | 現在地 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 環境を自分の手で起動できる / 小さい PR が1本マージされている | その場で起動してもらう / マージ履歴 | |
| 2週目 | 小さい修正を、指示なしで PR まで進められる | レビューでの手戻り回数 | |
| 1ヶ月 | 仕様が曖昧なタスクを、質問で詰めながら進められる | 質問の内容が「どうすれば」から「A と B で迷っている」に変わっているか | |
| 3ヶ月 | 見積もりが出せる / 他人の PR にコメントできる | 見積もりと実績の差 / レビューコメントの有無 | |
 
## 各時期に渡すタスク
 
| 時期 | タスクの性質 | 具体例 | 担当レビュアー |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 答えがこちらにある1行変更 | | |
| 2週目 | 手順が決まっている小さい修正 | | |
| 1ヶ月 | 仕様の確認が必要なもの | | |
| 3ヶ月 | 設計の選択肢があるもの | | |
 
## 受け入れ側の宿題
 
| いつまでに | 誰が | 何を |
|---|---|---|
| | | |

5. 1on1 のアジェンダ

初回と定例で分けます。初回は「これから何をする時間か」の説明が半分を占めるので、同じ型では回りません。 質問はここから2〜3個選んで使う想定です。全部聞くと尋問になります。

初回用です。

# 1on1(初回)— ○○さん / YYYY-MM-DD / 30分
 
## 0-5分 この時間の説明
- 進捗確認ではないこと
- 評価の場ではないこと(評価の話をする回は事前に予告すること)
- 記録は2人が見られる場所に残すこと
- 言いにくいことを言ってよい場であること
 
## 5-15分 相手のこと
- ここまでで、いちばん戸惑ったことは何ですか
- 事前に聞いていた話と、実際で違ったところはありますか
- この期間で「これができるようになりたい」と思っているものはありますか
 
## 15-25分 こちらから伝えること
- 何ができていれば順調か(1週目 / 1ヶ月 / 3ヶ月)
- 30分ルール(30分手が止まったら、整理できていなくても声をかける)
- 質問先(メイン / バックアップ / 領域ごと)
- レビューの返し方と、ラベルの意味
 
## 25-30分 決めごと
- 1on1 の曜日・時間・頻度
- 記録をどこに置くか
- 次回までのアクション(双方)

2回目以降の定例用です。

# 1on1(定例)— ○○さん / YYYY-MM-DD / 30分
 
## 0-5分 コンディション
- 体調・睡眠・負荷
- 今週の忙しさは 10段階でいくつでしたか
 
## 5-15分 相手が話したいこと(相手7・自分3)
選んで聞く:
- 今週いちばん時間を使ったのはどこですか
- そのうち、想定より時間がかかったのはどれですか
- 今、聞きたいけど聞けていないことはありますか
- 誰かの手を止めるのを我慢した場面はありましたか
- 私のやり方で分かりにくいところはありますか
- 読んだ資料で「これ書いてないな」と思った箇所はありますか
 
## 15-25分 こちらから
- 良かったこと(事実 + 影響で。事前にメモしたもの)
- 気になったこと(1回に1つだけ)
- 期待値の確認: 前回話した「____」、今週は使えましたか
 
## 25-30分 次回まで
- 本人のアクション:
- こちらのアクション:
- 前回のアクションはどうなったか:

質問リストは選択肢であって順番ではありません。1つの質問から話が広がった回は、 残りを全部飛ばして構いません。それが最も成果の出た30分です。

6. 1on1 の記録フォーマット

毎回コピーして追記します。本人と共有するドキュメントに置き、両方が書き込む前提にしてください。 凝ると続かないので、項目を増やさないでください。減らすなら「気になったこと」以外から減らします。

## YYYY-MM-DD(第 ___ 回 / 30分)
 
### 話したこと
-
 
### 決めたこと
-
 
### 次回までの宿題
- 本人:(誰が・何を・いつまでに)
- こちら:(誰が・何を・いつまでに)
 
### 前回の宿題の結果
- 本人:
- こちら:
 
### 気になったこと
-(事実だけ。「いつ・何があったか」で書く。人物評は書かない)

「気になったこと」の欄は、放っておくと人物評の置き場になります。共有ドキュメントに置いておけば、 この欄は自然と事実だけになります。別の場所に非公開メモを作りたくなったら、 それは 1on1 で本人に伝えるべきことを先送りしているサインです。

7. フィードバックの文例集

SBI(状況 → 行動 → 影響)で書いた文例です。日付・場面・数字を自分のケースに差し替えるだけで使えます。 悪い例と並べてあるので、自分が書いた文章がどちらに近いかを見比べてください。

良い点を伝える例です。

◆ 悪い例
  「あの PR よかったよ、ありがとう」
 
◆ 良い例
  「昨日の検索まわりの PR(S)、変更を3つのコミットに分けてくれていたので(B)、
   レビューが15分で終わりました。まとめて来ると1時間はかかるところでした(I)。
   あの粒度で続けてほしいです」
 
 
◆ 悪い例
  「調査ありがとう、助かった」
 
◆ 良い例
  「今週の障害調査の報告(S)、試したけど違った仮説まで書いてくれていたので(B)、
   私が同じ調査をやり直さずに済みました(I)。あれは書くのが面倒なところなので助かります」
 
 
◆ 悪い例
  「最近いい感じだね」
 
◆ 良い例
  「先週のタスク(S)、着手前に仕様の確認を済ませていましたよね(B)。
   おかげで手戻りがゼロでした(I)。私はそれを後回しにして直したことが何度もあります」

改善を求める例です。最後の1文(依頼)を落とさないでください。

◆ 悪い例
  「もっと主体的に動いてほしい」
 
◆ 良い例
  「先週の計画会で、担当の決まっていないチケットが3件残りました(S)。
   その時に手が挙がらなかったので(B)、私が3件とも持つことになって
   レビューが半日遅れました(I)。
   次の計画会では、内容が分からないものでも『これ調べてみます』と
   声を上げてもらえると助かります」
 
 
◆ 悪い例
  「報告が遅い」
 
◆ 良い例
  「水曜に聞いた API の仕様変更、気づいたのは月曜だったと言っていましたよね(S・B)。
   その2日、フロント側が古い仕様のまま実装を進めていました(I)。
   仕様が変わったと気づいた時点で、まだ確定していなくてもチャンネルに投げてください」
 
 
◆ 悪い例
  「コードの品質が低い」
 
◆ 良い例
  「昨日の PR で、エラーをそのまま握りつぶしている箇所が2つありました(S・B)。
   本番で起きた時にログに何も残らないので、原因を追えなくなります(I)。
   握りつぶす判断をした時は、理由をコメントに1行残してもらえますか」

言いにくいことを伝える例です。前置きを短くするほど、本人の身構えが減ります。

◆ 悪い例
  「言いにくいんだけど……いや、大したことじゃないんだけどね、
   もし気にしてたらごめんなんだけど、その、なんというか……」
  → 前置きが長いほど「重い話だ」と伝わります。本題より前置きが怖い
 
◆ 良い例(入り方)
  「1つだけ気になったことがあるので、小さいうちに言っておきますね」
 
 
◆ 悪い例
  「いつも遅刻するよね」
  → 「いつも」は回数を盛った表現で、話が事実から感情に移ります
 
◆ 良い例
  「先週の火曜と今週の木曜、朝会に5分ほど遅れて入ってきましたよね(S・B)。
   朝会は10分しかないので、共有事項を2回言い直すことになりました(I)。
   間に合わない日は、事前にチャンネルに一言だけ入れてもらえますか」
 
 
◆ 悪い例
  「態度が受け身に見える。どう思う?」
  → 観測できない人格評価で、質問で終わっているので依頼も伝わりません
 
◆ 良い例
  「この2週間の 1on1 で、私からの質問には答えてもらえていますが(S)、
   そちらから話題が出たことがまだ無いんです(B)。
   そうすると、私が気づいていない詰まりを拾えないままになります(I)。
   次回は1つでいいので、聞きたいことを持ってきてもらえますか。
   内容は何でも構いません」
 
 
◆ 悪い例(3つ並べる)
  「PR の説明が空なのと、テストが無いのと、あと朝会の遅刻も気になってて」
  → 内容にかかわらず人格否定として受け取られます。1回に1つだけにします
文例は暗記せず、構造だけ持ち帰る

文例をそのまま読み上げると不自然になります。持ち帰るのは 「いつ・何をした・何が起きた・次はどうしてほしい」という4つの順番だけで十分です。

とくに4つ目が抜けたフィードバックは、相手に「怒られた」という記憶しか残しません。 書いた後、最後の1文が依頼になっているかだけ確認してください。

8. コードレビューのコメント文例

ラベルごとの実際の文面です。ラベルは付けた時点で約束になるので、nit: で承認を止めないでください。 自分のチームのラベル体系に合わせて、使わないラベルの節は削って構いません。

must: 直さないとマージできない
------------------------------------------------------------
must: この関数は await が抜けているので、DB 書き込みの完了を待たずに
      レスポンスを返しています。負荷が上がった時に書き込み前に
      次の処理が走ります。await を付けてください。
 
must: 例外が発生した経路でコネクションが閉じられません。
      try/finally で閉じるか、withConnection のような
      既存のヘルパー(path/to/helper.ts)を使ってください。
 
must: ここでユーザー入力を文字列結合で SQL に入れています。
      パラメータ化クエリに変えてください。同じ形の実装が
      path/to/query.ts の 40 行目付近にあります。
 
 
nit: 直さなくてよい
------------------------------------------------------------
nit: 変数名が data だと、何のデータか読み取れないので
     userProfiles だと分かりやすいかもしれません。直さなくて大丈夫です。
 
nit: 空行が2つ続いています。formatter を通せば消えるはずです。
     気が向いたらで構いません。
 
 
imo: 自分の意見。異論歓迎
------------------------------------------------------------
imo: ここは早期 return にすると、ネストが1段減って読みやすくなると思います。
     ただ今の書き方でも読めるので、好みの範囲です。
 
imo: この定数はこのファイルの中でしか使わないので、
     共通定数ファイルに置かなくてもいい気がします。
     他で使う予定があるなら今のままで大丈夫です。
 
 
q: 質問。指摘ではない
------------------------------------------------------------
q: 再帰にしたのは、カテゴリの階層が不定の深さになる想定でしょうか。
   固定の深さなら別の書き方もあるので、意図を教えてください。
 
q: 手元でどこまで確認しましたか。異常系も試していれば、
   このあとの確認を省けるので教えてください。
 
q: この条件が false になるのはどういう時ですか。
   自分がケースを思いつけていないだけかもしれません。
 
 
praise: 良かった点
------------------------------------------------------------
praise: エラーログに request_id を入れてくれたの助かります。
        調査でログを追う時に、これがあるかどうかで時間が変わります。
 
praise: このテスト、境界値(0件・1件・上限)が揃っていて良いです。
 
praise: 既存のヘルパーを見つけて使ってくれたのが良いです。
        あれ見つけにくい場所にあるので。

PR 全体への総評にも型があります。冒頭で全体の評価を伝えてから、個別の指摘に入ってください。

◆ 承認するとき
  LGTM です。nit を2つ付けましたが、直さなくてもマージして構いません。
  ○○の書き方が良かったので、次も同じ形でお願いします。
 
◆ 直してほしいことがあるとき
  全体の方向は問題ないです。must が2件あるので、そこだけ直したら承認します。
  他は好みの範囲なので無視して大丈夫です。
 
◆ 設計から見直したいとき(コメントで書かず、その場で話す)
  実装は正しく動いていますが、置き場所を相談したいので
  15分だけ話しませんか。文字だと長くなりそうなので。

9. 受け入れ振り返りシート

インターンや受け入れ期間の終了後に、本人と受け入れ側の双方が書きます。 先に別々に書いてから読み合わせるのがコツです。同席して書くと、相手に合わせた内容になります。

# 受け入れ振り返り(○○さん / 期間: YYYY-MM-DD 〜 YYYY-MM-DD)
 
## A. 本人が書く
 
1. この期間でできるようになったことを3つ挙げてください
   -
2. いちばん時間を溶かしたのは何でしたか(技術・環境・人間関係・その他)
   -
3. 「もっと早く教えてほしかった」ものはありましたか
   -
4. 聞きたかったけれど聞けなかったことはありましたか。聞けなかった理由も書いてください
   -
5. 用意されていた資料・手順で、間違っていた/足りなかった箇所はどこですか
   -
6. もう一度最初からやるとしたら、自分は何を変えますか
   -
7. 次に来る人に、受け入れ側がやるべきことを1つ挙げるとしたら
   -
 
## B. 受け入れ側が書く
 
1. 事前に立てた到達目標のうち、達成できたもの/できなかったもの
   -
2. 達成できなかったものについて、原因は「本人・タスク設計・環境・時間」のどれでしたか
   -
3. 準備が足りなかった項目はどれですか(チェックリストの行で答える)
   -
4. メンターの工数は実際どれくらい使いましたか。見積もりとの差は
   -
5. 手順書・ドキュメントで、今回直した箇所と、直しそびれた箇所
   -
6. 次回の受け入れで、チェックリストに足す行/削る行
   -
 
## C. 読み合わせで決めること
 
- 次回までに直すもの(担当と期限を入れる)
  | 何を | 誰が | いつまでに |
  |---|---|---|
  | | | |
- 本人に伝える最終フィードバック(SBI で、良かった点を先に)
  -

振り返りは、感想を集めた時点で終わると次に何も残りません。出てきた内容は、必ず このページのチェックリストへの追加行・削除行の形に落としてください。 「次はもっと丁寧に説明する」は次回に効きませんが、 「1週間前に○○の権限申請を追加する」なら次回のチケットに残ります。

10. 最終日に渡すもののチェックリスト

インターン最終日に、渡し忘れると後から取り返せないものです。返却物より、本人が持って帰るものを先に埋めてください。 在籍中しかアクセスできない情報があるので、アカウント停止より前に済ませる順番にしてあります。

# 最終日チェックリスト(○○さん / 最終出社: YYYY-MM-DD)
 
## 本人が持って帰るもの(アカウント停止より前にやる)
- [ ] 書いたコード・PR の一覧(URL のリスト。社外秘の中身は含めない)
- [ ] 成果のサマリ1枚(何を作り、何が変わったか。本人が職務経歴に書ける粒度で)
- [ ] 最終フィードバック(口頭 + 書面。良かった点と、次の場で伸ばすとよい点)
- [ ] 推薦・照会に応じられるかどうかと、その連絡先
- [ ] 公開してよい範囲の明示(技術ブログ・ポートフォリオに何をどこまで書いてよいか)
- [ ] 個人の学習用リポジトリ・メモの退避(会社アカウント配下にあるもの)
 
## 引き継ぎ
- [ ] 未完了タスクの状況を書き出し、引き取り手を決めた
- [ ] 作業中ブランチの扱いを決めた(マージ / Draft PR で残す / 破棄)
- [ ] 本人しか知らない手順・設定を手順書に反映した
- [ ] 本人が作ったドキュメントのオーナーを付け替えた
 
## 受け入れ側がやること
- [ ] 受け入れ振り返りシートを書いてもらい、読み合わせた
- [ ] チェックリストの更新差分を反映した
- [ ] チームの場で、何をやってくれたかを事実で共有した
- [ ] 連絡手段を伝えた(今後質問してよい窓口があるなら明示する)
 
## 返却・停止(上が全部終わってから)
- [ ] 貸与 PC・周辺機器・入館証を返却した
- [ ] 各種アカウントの停止を申請した(停止日: ____)
- [ ] 権限の棚卸しをした(外部サービス・クラウド・リポジトリ)
- [ ] 個人情報を含む共有ドキュメントの権限を見直した
アカウント停止を先にやると、成果が本人の手元に残らない

返却と停止は事務手続きなので先に片付けたくなりますが、順番を逆にすると 本人は自分の書いたコードの URL すら手元に持てなくなります。

インターンにとって、その期間の成果は次の選考で使う実績です。 持ち帰るものを先に、停止を最後に。この順番だけは守ってください。

この章のテンプレートを自分のチームで使うことになりました。最も効果的な使い方はどれでしょうか?

この章のまとめ

  • テンプレートは埋めるためではなく、抜けを検出するために使う。空欄が埋まらない項目が準備不足の在りか
  • チェックリストは文書のままだと実行されない。受け入れが決まった時点でチケットに落とす
  • Good First Issue は「関連ファイル」と「参考になる既存実装」が書けて初めて最初の1本になる
  • フィードバックの文例で持ち帰るのは文面ではなく、いつ・何をした・何が起きた・次はどうしてほしいの順番
  • レビューのラベルは付けた時点で約束になる。nit: で承認を止めない
  • 振り返りの成果物は感想ではなく、チェックリストの追加行・削除行にする
  • 最終日は、本人が持って帰るものを先に。アカウント停止はいちばん最後

参考資料

対象リンク
Google re:Work: 新入社員の受け入れhttps://rework.withgoogle.com/guides/onboarding-set-up-new-hires-for-success/
Diátaxis(ドキュメントの4分類)https://diataxis.fr/
新人側の教科書「GitHub で共同作業する」https://learning-it-skills.makoto-developer.net/chapters/github/
読み終わったら記録しておくと、目次で進み具合が分かります。